ばっかじゃないの!

じゃみらー

続・どこまで書くべきか

統計力学の演習でミクロカノニカル分布の問題を解くとき、必ずと言っていいほどスターリングの公式を使う。
初めは解答を書くとき、丁寧に「スターリングの公式:〜〜より」と書いて、近似式を書く。
それが何度も繰り返されると、だんだん書き方が(∵スターリングの公式)とかになり、最終的にわざわざ何も書かずに計算の一環として近似してしまう。


この書き方の違いは、何に因るものなのか。
それは、どれくらいスターリングの公式に馴染みがあるのかということだと思う。
一般的に言って、ある計算法に慣れるほど「この計算法を使うぞ」と明記する重みが減っていく。


ただ、それとはまた別の要因もあるだろう。
それはその問題のポイントかどうかということ。


演習の初めにミクロカノニカル分布を解くときは、スターリングの公式を用いることも、その問題のポイントの一つだと思うので、
わざわざスターリングの公式とはどんなものなのかとか書いておく“べき”なのだと言いたい。
そして、フェルミ分布関数をミクロカノニカル分布から求めるときには、さらりとスターリングの公式を使って近似してしまう“べき”なのだと思う。
つまりスターリングの公式について全く同じような書き方を解答にするのはどうかと思う、ということ。
もう十分スターリングの公式には慣れているだろうし、また問題のポイントはそこじゃないのだから、見通しを良くするために省くべき。


敢えて「こうしました」と書かなくても通じて、且つ、いま問題になっているポイントがそこじゃないのなら、ある程度粗くても良いのだと思う。
逆に言うと、いくら慣れていても問題の肝になっているところを粗い扱いにしてしまうと、よろしくないということでもある。