プレゼン能力とは何か
プレゼン能力って,何かのコンテストで勝つために必要なんだよね.
普通に自分の研究やらをプレゼンする場合は,その聴衆はその研究に何かしらの接点がある人だろう.
少なくとも「そもそも研究ってどんなことするの?」という疑問は抱かない人が相手であるのだと思う.
言ってみれば,物理系の研究室のセミナーを 高校時代に物理が苦手だったスタバのお姉さんが受けることはないだろうということ,例えばの話.
だから,そういうプレゼンをする場合は,プレゼン能力が必要というわけでもないはず.
最低限度として,相手に自分の研究内容を伝えることが要求されるだけだろう.
これはプレゼン能力と呼ぶほどのものでなくて,ただのコミュニケーション能力.
いわゆるハウツー本に書かれているような,アクロバティックな「プレゼン能力」なんて必要ない.
みたいなことを,色々と考えて思い至った結論がこれ.
「プレゼン能力は伝えるための能力じゃなくて相手を魅了するための能力」
「プレゼンが下手でつまらない」ことは問題ではなくて「何が言いたいのか分からない」のが問題なわけで.
その問題を解決するためには,必要なものはコミュニケーション能力だということ.
主語と述語の対応をハッキリさせるだとか,一文は短くだとか,論理展開はハッキリさせるだとか.
プレゼンがつまらなくても大いに結構なのだと言いたい.
もちろん,聞いてておもしろいに越したことはないけれど.
で,何かのコンテストの場合は当然ながら話が違ってくる.
競われるのは,どれだけプレゼンする中身が魅力的なのかということ.
極論してしまえば,コンテストに勝つために,その中身は本当に価値がある必要もない.
ただどれだけプレゼンする中身が魅力的かを見せつければいいということになる*1.
そこでハウツー本に載っているようなテクニックを駆使しろという話になるのだと思う.
*1:コンテストが開かれる理由やら,コンテストの存在意義やらを考えた場合,当たり前に本当に価値のある中身であるべき.でもコンテストに勝つという視点から論じれば,価値があるように見せかければそれでよいということになる※極論