ばっかじゃないの!

じゃみらー

さまざまな価値観

最近になって,ひとのもつ価値観はいくつかに大別できるのではないかと考えるようになった.
今のところぼくが認識できている分類には以下の5種類がある.

  1. 独善的
  2. 二元論的
  3. 1次元的
  4. 1+1次元的
  5. 多次元的

それぞれについて具体的に説明する前に,ざっくり言うと,はじめの3つは分裂 (心理学) - Wikipediaのようなもので,残り2つはアンビバレンス - Wikipediaと考えられると思う.
以下ではそれぞれの価値観を理想化しているので,個別の価値判断(その集合体が価値観だとしている)ではふつうは多少ブレるだろうと思う.

独善的価値観と二元論的価値観

これらの価値観は,絶対評価に根ざしていて,他のものと比べることをしない.
ゆえに価値観の分解能が極端に低い.

独善的価値観においては,価値として対となるものがあるという認識がない.
たとえば「よい」と「わるい」が,対であることを認識していない.
つまり「よい」の反対の価値が存在せず,単に「よくない」という否定にしかならず,それが「わるい」かどうかは顧みられない.

二元論的価値観においては,常に対になる価値観を意識しすぎるほどに意識する.
「よい」と「わるい」の例を用いるならば,「よい」の反対が「わるい」になってしまい,今度は「よくない」=「わるい」となる.
このタイプの価値観の持ち主は,基本的に「すき」か「きらい」で判断しがちである(「すきでない」は「きらい」に等しい).

1次元的価値観

上記2つの価値観より,分解能が格段にあがる.
それは他と比較する相対評価になっているからであり,だいたいの大人がこの価値観(あるいは1+1次元的価値観)を持っていると思われる.
やはり「よい」と「わるい」の価値を例に出して考えると,この価値観においては
「よい」「よくない」「わるくない」「わるい」という価値が同列に扱われ,それは「よさ」(もしくは「わるさ」)として1次元的に評価される.
さらに「すごくよい」や「まぁまぁよい」などの「よい」の中にも種類が現れる.

ただし,後述の2つの価値観と異なり,他の評価軸とは完全に連動してしまっているか,完全に分離してしまっている.
つまり「よい」=「すき」だったり,「よい」と「すき」とが関係するかどうか顧みられなかったりする.
(完全に連動している場合は「よい」が何らかの影響で「わるい」に評価が変化した場合,「わるい」=「きらい」となってしまうということ)

1+1次元的価値観(相対主義的価値観)

この価値観は1次元的価値観を自分が持っていることを認識し,他の評価軸との関係を意識したときに,それらの評価軸の関係を積極的に無視する.
「よい」と「きらい」(あるいは「よくない」と「すき」)が同時に混在しうるが,それらの間に「でも」や「だから」といった関係を見ようとしない.

「みんな違ってみんなよい」という言葉に代表されるような,何かしらの評価軸に射影することを積極的に避けるとも言える.

多次元的価値観

これには確かに1+1次元的価値観も含まれるが,敢えて別けた.
それは上述の「何かしらの評価軸に射影する」ということを行うか否かで決定的に異なると思うため.
今までの例えに沿って言うならば,態度や行動それぞれにおいて「よさ」という評価軸に沿って評価し,さらに「すききらい」という評価軸によっても評価し,それらを合わせて総合的な「よさ」として評価する,ということである.

多次元的評価は,思った以上にブレやすくて難しいものだと思う.
今のところ,これよりも複雑な構造を持った価値観は知らない(認識できていない).